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「 」 is not here.
地方都市のライブハウス
今こそ決めようレペゼンIBARAGI
開幕するぜ「DANCE MASTER」茨城予選!
第1回戦はフィメールダンサー
B-Girl同士の華麗な激突!!
さあぶつけろ2人のスキルを!!
◆IBUKI's TURN
これから始まるアタシの伝説
審査員は軽口哲也
ダンス界の生けるカリスマ
言うなればこれは登竜門
プロのダンサー
明日へのアンサー
相手は高校部活動?
名前も顔も知らない相手
ABEの新作Tシャツと
シューズはお決まりエアフォースワン?
カッコだけは一人前だな けど
中身は果たしてどうなのさ?
ご挨拶がわりに
一発かますか得意技!
アタシの背骨がバネになる
重力消えて 天を蹴る!
観客「うおおおーーー!!」
軽口「おっ、いいねえ。第1回戦にふさわしい滑り出しだ!」
聖來「へぇー やるね! でもさ…」
◇SEIRA's TURN
ガッコの部活のゴッコあそび
だとでも思った?
なら大間違い
確かにアタシ 茨城じゃ無名?
学校バレするわけにはいかないから
クラブにもストリートにも 顔売れていない
みんなは知らないアタシの事を
ワン・ツー・イン
ワン・ツー・イン
基本のフットワーク
ここから本番
一気に魅せるよアタシの実力
ついてきてみせてよ
このスピードに!
観客「うおおおっ!? 速ええッ!!」
軽口「おっ? こっちもなかなかの技巧派だ! 第1回戦から熱いバトルだぞ!」
伊吹「ふぅん…」
◆IBUKI's TURN
オーケーなるほど 少しはやるじゃん
でもチョコマカやるだけ
テクとは言わない
ビートとシンクロ シックスステップ!
ここからアタシの真骨頂
無限の回転ウィンドミル!
遠心力で弾き飛ばす 何もかも
重力重圧 全て飛んでけ
残すのはお客の視線と歓声!!
観客「すげえ!!何回転する気だ!?」
軽口「なるほどイブキはパワータイプのダンサーだな。好きだぜ、そういうの!」
◇SEIRA's TURN
歓声はガソリン 多分キミと同じ
けどアタシは相手への歓声をもエネルギーにする!
確かに限界 高校ダンス部
ストリートに立てないのは大きなハンデ
だからしてきた週末武者修行
東京のクラブでシノギを削った
強敵相手にスキルを磨いた!
今こそここでお披露目
ここは水戸ライトハウス
ハウスはアタシの必殺ジャンル
スピーディーなステップ誰にも負けない
さあ次はキミのターンだよ!?
観客「はっええ~ 何だよあのステップは…」
軽口「実力伯仲ってところだな。さーて、2人ともスタミナは大丈夫か? 勝負はここからだぞ!」
◆IBUKI's TURN
スタミナ? 余計な心配だぜ軽口サン
こっちは華のJCフォーティーン!
全参加者中最年少はダテじゃないよ
からこそ秘めてるポテンシャル
けど出し惜しみはしてられねーな
こいつは思った以上の強敵だ
けれどだからこそ嬉しい
本気でやれるって最高だ!!
軽口「うーん!若いっていいねえ!」
聖來「ん?? あれって………なるほどね」
◇SEIRA's TURN
そのムーヴ 思い出したよ那珂川土手
犬の散歩の途中で見つけた
朝練している女の子
そうか あの時の子がキミなんだね
あの時確か こんな技も練習してたね?
観客「うおおおおおお!! これは!?」
軽口「おっセイラもパワフルなテクに切り替えてきたか?」
伊吹「チッ! あの技……ッ!」
◆IBUKI's TURN
人のワザ先取り 趣味悪りーな!
そうか見てたのか アタシの練習
そうだよストリートはアタシの全てだ!
いつだってどこだってスキルを磨いてきた
まがい物は本物で吹っ飛ばしてやるぜ!!
歓声の横取り許さない!
完成度は上だアタシのスキルは!
観客「きたあああーッッ!! イブキも同じ技だ!!」
軽口「おっ いいねぇ! 俺気に入っちゃったよ!」
伊吹「どーだ!! これがホンモノだ!!」
◇SEIRA's TURN
いいね いいね!
熱いよ熱い!!
そういうハート 大歓迎!
これだからダンスはやめられない
そう──
──あの時、踏み出してよかった!──
16歳 新入生の春
きっかけ単なる好奇心
学校の廊下 気を引くポスター!
──ストリートダンス部…かあ──
アタシのアタマで何かか灯った
すぐさま向かった彼らのたまり場
旧校舎前の小さな広場
気になったから足が動いた
アタシの性格 即実行!!
──ダンス…ちょっと興味あるんですけどー?──
運動神経 悪くはなかった
けど学校のグラウンドは何かが違った
テニスも陸上も惹かれなかった
けどこの場所に何かを感じた
──歓迎するよ。1年生はキミ一人なんだ──
弱小チーム 所属メンバは
ほとんどいない
けどそんなことは関係ない
身体を動かすのはとにかく爽快!
それから3年
ひたすらステップ!
気がついたら アタシはトリコ
ダンスの魔力に 身体も心も!
◆IBUKI's TURN
13歳 全てが灰色の日々だった
大人もクラスメイトもアタシを持て余した
──なんだこれ?──
アタシのきっかけ近所の公園
まるで粗大ごみのように隅っこに放置
朽ちかけていたスケートボード
誰のものかなんて知らない。
乗ってみたのは何かの気まぐれ。
だだ馴染んだ、アタシの身体に。
──痛って! あー、あとちょっとなのに──
──このタイミング…どうだ!──
──ハハっ やった!──
それから夜はアタシの時間
昼間の学校とはまるで違う空間
何もかもが自由だった
夜の駅前 ひしめく同じ種族たち
飛び入り歓迎 広がる関係
アタシはアガったスキルもテンションも
ハデなトリック 湧き上がるオーディエンス
──アレ? みんな何してるの?──
──伊吹、お前もやってみるか?──
そんな中
仲間達が教えてくれたダンスの真似事
もちろんそれもドンピシャだった
──決まった! どーよ!?──
ジャンルは問わない
ハウスにヒップホップ
そして何よりブレイクビーツ
カマして痛快パワームーヴ!
──アハッ アハハハ!──
何かが欠けてた灰色の毎日
そこにハマったパズルのピース
出来ないことは多かった
ただそれすらも楽しかった
夜の灯りはアタシを照らした
ストリートにアタシは居場所を見つけた
だからアタシは負けたくない!
まだ地方大会の1回戦!
こんな所じゃ終われない!
全国大会も通過点
そこより上のテッペン立ちたい!
◇SEIRA's TURN
伝わってきたよキミのパッション
それならアタシもクールに応える!
悪いけれどもアタシも必死
ダンスより楽しいものなんてない!
まずは目指すよ全国大会
その先はまだ想像もつかない
だからキミは 負けてくれないかい?
伊吹「もういい、リミッターなんて考えてらんねぇ!」
聖來「同感、楽しくてしょうがないもん!」
軽口「さあ! 2人とも最終局面だ!!」
───────────────
P 「で、結局どっちが勝ったんだお前たち?」
伊吹「とーぜんアタシだよ!」
聖來「ちょっと伊吹、どさくさ紛れで嘘つかないでよ! あの時勝ったのはアタシだって!」
伊吹「ちっ 聖來さんこそ嘘ついてるだろ!?」
聖來「ま、どっちにしても予選敗退。二人とも第1回戦で力使い果たしちゃってさぁ…その後のことよく覚えてないんだよね……」
P 「なんだそりゃ」
聖來「でも何だろう… 巡り合わせってあるもんだよねぇ」
伊吹「うん、また2人で踊るときが来るんだもんなぁ…それも同じ場所で」
聖來「凛ちゃん達のサポートメンバーとしてだけどね。 でもありがとう、茨城公演にアタシたちを選んでくれて!」
P 「こんな事言うのもなんだけどな。俺はお前たちがそのままダンサーとして大成しなくて良かったと思ってる。だからこそ、こうしてプロデュース出来てるんだから」
伊吹「おい…本当に"こんな事"だな! どう反応していいかわからないぞ!!」
聖來「アハハっ! でも、本当にそうかも。P さんに出会えたことも伊吹と再会できたことも、間違いなくアタシにとって良かったことだから!」
伊吹「まぁ…それは確かにね」
P 「よーし、凛たちはもうスタンバイOKだ! お前たちも行ってこい!
この歌の歌詞じゃないけどな、お前らのSTORYはまだまだ終わらないぞ!」
聖來「うん!」
伊吹「じゃ、行って来るよ!」
─END─
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